サイトでの彼女38
ここで断ることをすれば「男が廃る」というものです。
そして、前カノで私は男として勃つことは実証済です。
更には…今となっては思い過ごしでしかないのですが、この頃根拠のない自信を持っていたことも事実です。
いや、もっと下衆な言い方をすればこれもまた大きな自信に繋がるのではないのか?と思ったのです。あくまで自分本位の理由で「はい」と答えました。そして、私の写メも送りました。何の返答もないのは彼女もOKであると勝手に判断したのでした。
そして、翌週の予定を入れ、「どこかで逢いましょう」とメールしました。鉄は熱いうちに打て、ではないですが、彼女がその気になっているうちにアポを入れなければならないのは営業の仕事と一緒です。
彼女は…なるべく遠い日にちにしたかったのでしょう。
逃げたい気持ちもあったのでしょうね。
金曜日のお昼に時間を設定してきました。
これは私にとっては好都合でありまして…アポまでの日が遠ければ遠いほど仕事の調整がつくのでした。
当日を迎えました。
彼女が車を出してくれると言うのでお言葉に甘えて、会社の近くにまで来てもらいました。
部下には「お客さんとランチしてくる」と言い、ステディには「これから長い会議があるから…」とメールを入れて待ち合わせ場所に行きました。
私が行くと彼女は既に待ってくれていました。浮気など想定していない派手な車とわかりやすいナンバーの車がそこにはありました。
「はじめまして」
そう挨拶して助手席に乗りましたが、彼女の様子が変です。
言葉も出ませんし、震えているようにも見えました。
即座に「運転替わるよ」と言って車内のポジションを変えました。
私が運転席に座って、ラブホを目指しました。
彼女は俯いたまま、会話に参加してきませんでした。
あのサイトでの捌けたようなメールとは大違いでしたが、これも前カノと一緒。想定のうちでした。
しかし、困難はこの後にやってくるのですね。
これは私の想定をはるかに超えていました。
つづく