サイトでの彼女47

ここからが進展がなかなかありませんでした。
月に2回、計6回ほど逢瀬を繰り返しましたし、他にホテルなしのデートもありました。

体位を変えてみたり…バスルームやソファでしてみたこともありました。

そんなある時、ステディから「今日どうしても…」と平日の朝にメールがきました。仕事のアポは夕方に入っているだけでしたのでそれに応じて仕事を抜け出しました。

午前中から午後3時くらいまで情交を繰り返しましたが、「ステディとのセックス」と「彼女とのそれ」はどこか違うと思っていたのですが、この時に「こんな単純なことだったか…」と気づいたことがあったのでした。いや、もしかすると…程度のことだったのですが…


その後の彼女とのデートの時、いつものようにランチをしてからホテルに行き、そしていつものように風呂に入りました。もうルーティンになっていたバスタブの中での私の愛撫の後、そのままそこでいたすか?ベッドに移行するか?ということを私は聞く事なく、次のように言いました。

「今度は○○(彼女の名前)が俺のこと気持ちよくしてみて。」
彼女に初めて愛撫を求めたのでした。

大人の男女のまぐわいであるならば、ごくごく当たり前に(いや、この後も意外と「まぐろちゃん」はいましたが)なされる双方の愛撫を彼女に求めないで私が一方的にしていたのでした。

セックスに於いては一般的には男性が能動的で女性は受容する側であると思います。ただ、それがあまりに一方的であると遊戯という意味でのセックスは成立いたしません。

愛撫された側が快楽を得るというのは、気持ちいいセックスには繋がるとは思いますし、愛撫する側が男性であればフィニッシュは物理的には射精という快楽ですし、その間、女性が身悶えてくれるならば「身体の征服」という意味では精神的な快楽にも繋がるでしょう。

彼女と私の場合、始まりが始まりでしたので、セックスに於ける双務関係が欠落したまま、ここまできてしまったといえ、それではお互いが楽しめる遊戯にとは昇華しないと思ったのです。

単に男目線でもっと単純に言えば、お相手の女性が自らの愛撫で身悶えすることで自らのやる気が増幅されるじゃないですか?
その感覚は女性にあっても不思議ではないですよね?

況してや女性は男性に較べ、本能的にホスピタリティに溢れる生き物です。ダメンズを「母性が擽られる」と言って愛してしまうのはその一種かな?と思います。

ですから、その本能を呼び起こしてあげないのはダメなことと思ったのですね。

ただ、この新たな展開に彼女は当惑していたのも事実でした。

つづく