サイトでの彼女45

盛っていない女性を盛らせる。

これは人間とは感情の動物なので、繁殖期を待っていても仕方ありません。きちんと、いや少なくとも人としての親和性をもってから事に及ばないといけなかったということです。  

 

年上とは言いながら異性に免疫がないのは明らかだったのですから、プロセスを踏まなかったことは大いなる反省点だったのです。危うく私が更に彼女の男性不信を強めてしまうところでした。

 

ここで、私に変な欲望が頭をもたげます。この大きな進歩があったからだと思うのですが、「もっと彼女を女にしたい」と思ってしまったのですね。

 

あの夜の2週間後の週末、ステディに用事があり1日予定が空くという日がありました。「じゃ、俺は仕事しようかな?」と言っておきました。そして彼女をデートに誘いました。

 

午前中から会い、ちょっと遠出をしてランチの寿司を食べました。寿司が好物と言っていましたから。に、しては…前評判とは違う大して美味い寿司ではなかったのですが、それでも彼女は喜んでくれました。

 

札幌に帰る途中、ホテルが何軒かある街で誘うと二つ返事で合意してくれました。これが「盛っている」状態だと思うのですね。

実のところこの間のメールではここに書いたようには直接的な表現ではないものの、初めての出会いの時の非礼を改めて詫びて、2回目に情交に及んだ時の変化を喜ばしく思ったことを彼女に話していました。男性には慣れていないですが、頭の良い女性ですので私の思いは受け止めてくれたでしょうし、これが一種の前戯になっているとも言えます。

 

これは事前には言ってありませんでしたが、この日の私なりのテーマは「素直に脱いでくれるようになること」そして「男の身体に慣れてもらうこと」でした。

 

ホテルに入ると私はバスタブにお湯を溜め始めました。彼女は「ん?」と言う顔をしていました。

 

先ずソファでキスを長くしてから、冷蔵庫に向かい、彼女が好きと言っていた冷酒と…何かつまみをと思ってさきいかを取り出して渡しました。そしてさきいかの包みを無造作に空け、冷酒をコップに注いで「飲んだら?」と言いました。

 

「いいの?」酒は好きなんでしょうね。クッと1杯飲んだので「いい飲みっぷりだね」と言ってもう1杯注ぎました。

 

そして、「先に入っているから、良かったら後からおいでよ」と言って、私は風呂に行ったのでした。

 

つづく